よくある質問

  1. TOP >
  2. 最新トピック >
  3. 「面白い恋人」事件ってどうなの?

「面白い恋人」事件ってどうなの?

「面白い恋人」事件とは、有名なチョコレート菓子についての「白い恋人」の商標権を有する石屋製菓が、「面白い恋人」というお菓子を販売する吉本興業を商標権侵害で訴えた事件です。
皆様は、どう感じました??「まあ面白いし、いいじゃない?」と思いました?それとも、「けしからん!」と思いました?
結論からいいますと、吉本興業は、「面白い恋人」のパッケージデザインを変更し、販売地域も限定するという条件で、2013年2月13日、石屋製菓と和解するに至りました。一見すると、石屋製菓の勝利のようにも見えますが、実はそう単純でもありません。
特許庁の審査基準では、商標が類似しているか否かを、外観(見た目)、称呼(読み)、観念(意味)で判断することになっています。そのため、特許庁の審査官であれば、商標登録「白い恋人」と、吉本興業のお菓子に付された「面白い恋人」とは、外観、称呼、観念のいずれも似ていないと考えるでしょう。
裁判所も同様に判断すると仮定すると、侵害は否定され、石屋製菓は裁判で負けてしまった可能性もあると思います。
しかし、吉本興業にとって、お菓子の販売はもちろん本業ではありませんよね。
時間とお金をたくさんかけて裁判で勝利したとしても、きっと世間の目は冷たいでしょうし、「もうやめよか」と考えたのではないでしょうか。
石屋製菓側も、勝てる見込みの大きくない裁判を長期間続けるメリットはありません。
今回の和解は、そういう双方の思惑の着地点だったのだと思います。
さて、実は、現在、このようないわゆるパロディ商標の使用を効果的に防止する法律は存在しません。
不正競争防止法という別の法律もありますが、パロディは、あくまで遊びであって、不正競争の意図、悪意と言ったものが明確に存在するものではありません。今回の「面白い恋人」についても、不正競争であるとの認定には至らないのではないでしょうか。
一方、著作権法では、「パロディ」そのものについて、創作価値を認めており、保護の対象としています。
しかし、商標法の保護対象は、権利者がその商標を使用することによって積み上げてきた信用です。パロディ商標の自由な使用を認めてしまうと、本家が長年かけて積み上げてきた名声はただ乗りされ、時にはその本家のイメージを壊してしまうことさえもありえます。
これは「遊び」「冗談」では済まされない行為だと思います。
つまり、著作権法と商標法の法目的の違いを考えれば、パロディーの著作権が認められているからといって登録商標のパロディーが許されるべき、ということにはなりません。
とはいえ、現行の商標法及び不正競争法では効果的に押さえ込むことができないのですから、この機に商標法を改正し、積極的にパロディ商標の使用防止を図るべきだと思います。

  • a